第3回 久敬会ミニ講演会
演題: 三島の古墳を訪ねて
講師: 吉村 健(茨木高校社会科教員)
日時: 2015年1月24日(土)14時~16時10分
参加: 25名
担当行事委員: 辻本、安田、根来、中西
講師の吉村氏は、茨木高校と縁があり、2度目の勤務でその9年目を迎えられている。学校では指導教諭、120周年記念誌講師編纂委員長と多忙の中、三島地区にある古墳について講演いただいた。茨高のある北摂の地、なかでも三島地区はまさに弥生時代や古墳時代の遺跡の宝庫である。校舎建て替えの際新庄遺跡が発見されたこと、旧本館AB間の中庭に長らく長持型石棺が置かれていたことなどは、必然のなせる業だったのだという思いを抱かされた。穏やかな口調から出てくる古墳への熱い思いの詰まった130分ノンストップの講演は、時間の経過を忘れるほどだった。
※ 「摂津・三島西部の古墳時代後期首長墓」が、大阪府立近つ飛鳥博物館(南河内郡)特別展示室で
1月24日(土)から3月22日(日)まで展示されています。興味のある方はそちらもご覧ください。
【講師プロフィール】
中学生の頃から古墳に興味を持ち、高2の夏には大学で考古学を学ぶことを決意。岡山大学では近藤義郎、春成秀爾両先生の薫陶を受ける。就職する際、発掘技師になるか教員になるかで悩むが、研究の成果を社会に還元する仕事により強い魅力を感じ、教員の道を選ぶ。茨木高校勤務(1984~1990年度・2006年~現在)のほか、弥生文化博物館(1991~93年度・2003~05年度)等にも勤務。
【講演内容】
以下の文は講師からいただきました。
久敬会ミニ講演会(第3回)
2015年1月24日(土)
「三島の古墳を訪ねて」講演要旨
大阪府立茨木高等学校
指導教諭 吉村 健
茨木高校の地元である三島地域には多くの古墳があり、古墳時代の各時期(前期・中期・後期・終末期)の代表的な古墳をひととおり見ることができます。講演会では、日本史の授業でも取り上げている各時期の代表的な古墳を中心に紹介しました。
1.紫 金 山古墳
全国的にも著名な前期の前方後円墳で、墳丘長は約110mあります。1947年に京都大学考古学研究室によって後円部の竪穴式
石 槨 が発掘され、青銅製の鏡12面、腕輪形石製品7点など貴重な副葬品が見つかりました。鏡の中には、古代中国の王朝である新で造られた
方 格規矩 四神 鏡や、魏で造られたという説が有力な三角縁神獣鏡などが含まれています。これらの遺物は現在、大阪府立
近つ飛鳥博物館で常設展示されています。なお、この古墳は2003~04年に京都大学考古学研究室によって墳丘の発掘調査が行われ、葺石や円筒埴輪が確認されました。
2.太田茶臼山古墳(現・継体天皇陵)
中期の前方後円墳で、墳丘長約226mは北摂最大です。墳丘の周囲に周濠、さらにその外側に周庭帯が廻っていること、くびれ部(前方部と後円部が接続する箇所)に造り出しがあること、周庭帯の外側に
陪塚 と呼ばれる小古墳があることなど、中期古墳の特徴をよく備えています。現在は宮内庁によって「継体天皇三嶋藍野陵」に指定されていて立ち入りや発掘調査ができないため、どういう埋葬施設や副葬品があるかは不明です。ただ、他の中期の大型前方後円墳から類推して、竪穴式石槨に
長 持 形 石棺が安置されている可能性が高いと考えられます。周濠の外側、宮内庁の管理区域外のところでは狭い範囲ながら発掘調査が行われていて、5世紀の円筒埴輪が確認されています。継体大王は6世紀前半の人物ですから古墳の示す年代とは合致しません。真の継体大王の墓は高槻市の今城塚古墳というのが考古学界の定説です。
ちなみに長持形石棺は、大正時代以来、長年、本校に高槻市の前塚古墳で出土したものが置かれていました。現在、この石棺は近つ飛鳥博物館で常設展示されていて、本校には複製品が社会科教室に置かれて日本史の教材として活用されています。
3.今城塚古墳
後期の前方後円墳で墳丘長は約190m、二重の周濠がめぐっていて総長は350mもあります。墳丘の形態や出土した埴輪から6世紀前半の築造と考えられ、この時期の前方後円墳としては全国最大で、真の継体大王の墓という説が有力です。墳丘は戦国時代に城として再利用されたためかなり崩れていますが、1997年から10年間、高槻市教育委員会によって継続的に発掘調査が行われた結果、北側の内堤(内濠と外濠の間)で、家、
巫 女、武人、水鳥などさまざまな形象埴輪が並ぶ埴輪祭祀場が見つかり、大王陵の埴輪祭祀の実態が初めて明らかになりました。その他にも、後円部で墳丘にしみこんだ雨水を排出するための「墳丘内石積」と排水溝、巨大な横穴式石室を支えた「石室基盤工」が発掘されるなど、多くの貴重な発見がありました。現在、古墳は史跡公園として整備・公開され、発掘された埴輪群や石棺の破片などは古墳に隣接する高槻市立今城塚古代歴史館で展示されています。
4.新池遺跡〔ハニワ工場公園〕
太田茶臼山古墳や今城塚古墳で使われた埴輪を生産していた工場の遺跡です。遺跡の存在は半世紀以上前から知られていましたが、住宅建設に先立って1988年から行われた発掘調査で埴輪を焼いていた登り窯18基と、埴輪を製作していた大形の方形竪穴建物3棟などが見つかり、『日本書紀』
欽明天皇23年条に記されている「摂津国三島郡
埴廬」に相当する施設と考えられます。遺跡は国史跡に指定されて史跡公園として整備・公開されています。
5.耳原古墳
帝人の研究所の敷地内にある古墳で東西16m南北20mを計ります。しかし、墳丘は周囲がかなり削られているので、もとは直径32m程度の円墳と推定されています。墳丘の内部に全長約14mの見事な横穴式石室があり、実際に中に入ることができます。石室の中には2基の家形石棺が置かれていますが、これだけ立派な石棺は北摂ではなかなか見ることができません。発掘調査が行われておらず正確な時期は不明ですが、6世紀末ないし7世紀初めと推定されています。
講演会では以上のほかに、授業では取り上げていないが重要な古墳として
安満宮山古墳、
闘 鶏 山 古墳、総持寺古墳群、
海北 塚 古墳、阿武山古墳も紹介しました。以下、各古墳の重要なポイントを簡単に示しておきます。
6.安満宮山古墳
・三島地域で最古級の古墳のひとつ。青龍三年(235年)の銘を持つ方格規矩四神鏡、三角縁神獣鏡などが出土。
7.闘鶏山古墳
・未盗掘の竪穴式石槨が確認され、ファイバースコープで内部を調べたところ、方格規矩四 神鏡や三角縁神獣鏡が副葬されていることがわかった。
8.総持寺古墳群
・太田茶臼山古墳の約1km南に位置する中期の群集墳。東西約130m、南北約110mの範囲 に約40基の小方墳が密集している。新池の埴輪窯で造られた埴輪が使われており、太田茶 臼山古墳の被葬者との関連が注目される。
9.海北塚古墳
・直径25m以上の円墳と推定される後期古墳。横穴式石室の中から環頭大刀の柄頭や馬具、 須恵器などが出土。これらの遺物は3月22日まで大阪府立近つ飛鳥博物館の冬季特別展「歴史発掘おおさか」で展示されています。ぜひ、ご覧ください。
10.阿武山古墳
・1934年、京都大学地震観測所の工事中に発見された。終末期(7世紀)の古墳で、横口式 石槨(内法の長さ約2.6m)の中に夾紵棺を収めている。玉枕、冠帽という特殊な副葬品 があり、藤原鎌足の墓という説が有力。
講演会の最後に、生徒がホンモノの考古資料にふれる機会を作りたいという思いから、校舎の建て替えにともなう発掘調査で見つかった新庄遺跡の出土品(弥生土器と石器)を2008年度から社会科教室で展示していること、毎年12月に日本史を選択している生徒全員を対象に茨木市立文化財資料館の見学会を行っていること、2012年度の後期には文理学科の専門科目「課題研究」のひとつとして「考古学入門」を開講し、中条小学校遺跡で発掘体験を行ったことも紹介しました。
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1.紫金山古墳に副葬されていた青銅鏡群
(出典:『大阪府立近つ飛鳥博物館図録29 大阪府の主要古墳 紫金山古墳』(2003年))
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2.太田茶臼山古墳の全景
(出典:『大阪府立近つ飛鳥博物館図録18 百舌鳥・古市 門前 古墳航空写真コレクション』(1999年))
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3.前塚古墳の長持形石棺
(大阪府立近つ飛鳥博物館にて筆者撮影)
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4.今城塚古墳の埴輪祭祀場の復原
(筆者撮影)
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5.新池遺跡(ハニワ工場公園)の現状
(筆者撮影)
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6.耳原古墳の横穴式石室
(筆者撮影)
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7.茨木市立文化財資料館の見学会
(学芸員の引率で収蔵庫を見学)
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8.中条小学校遺跡での発掘体験
(古墳の周濠を掘り下げる)
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2015年01月08日(木)更新
第2回 久敬会ミニ講演会
演題:介護保険制度を知ろう~望む暮らしの実現のために~
講師:山本京美 (高36回) (介護福祉士、主任介護専門員)
日時:2014年11月30日(日)14時から16時
参加:18名
担当行事委員:辻本、安田、中西
当日の参加予定者(申込者)は31名であったが、その日JR吹田駅での事故のため正午頃から大阪京都間の電車が不通となった。このため参加を断念された方もあって、出席者は少なかった。この講演については関心が深く、それぞれ自分自身のこととして、また親のことを考えて熱心に聞いておられた。講演の後の質問では、現在切実に悩んでおられる方がアドバイスを求められたのに対し、ご講師の丁寧な説明を皆、自身の問題のようにじっくり聞いておられた。
山本氏には、介護保険制度について、現場から生きた情報とともに、すぐ役立つ知識についてお話しいただいた。
①介護度がどのように決定するのか。
申請と認定のための調査項目
・麻痺等の有無 ・関節可動域の制限 ・座位保持 ・両足での立位 等々
②どのようなサービスが利用できるのか
・居宅サービス ・施設サービス ・地域密着サービス
③老後の位場所にはどのようなところがあるのか
・施設で安心して暮らす ・自宅で最期まで過ごす ・子供に迷惑をかけない
④ケアマネは何をしてくれる人なのか
・利用者の代弁 ・リスクと可能性を専門職として示す
これらのことを知っているかいないかで、将来の自分たちの人生が大きく変わると実感した。当日参加できなかった皆さまにも、是非、資料にお目通しいただきたいと思う。
【講師プロフィール】
ノートルダム女子大学文学部英語英文学科卒業。2001年ホームヘルパー2級講座受講をきっかけに高槻市社会福祉事業団に勤務。介護福祉士、介護支援専門員資格取得。大阪府社会福祉協議会事業のコミュニティーソーシャルワーカーとしても活動。現在は社会福祉法人成光苑高槻けやきの郷居宅介護支援事業所で主任介護支援専門員として勤務。
【講演内容】
以下の文はご講師からいただきました。スライドは主なもののみ掲載します。
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2014年12月24日(水)更新
2014年度久敬会総会報告
日時: 2014年10月26日(日)15:00~17:30
会場: 茨木市役所南館9階茨木スカイレストラン
次第: ・会長挨拶、校長挨拶、会務報告
・歌と演奏 姉妹デュオ「エール・ドゥ」(高37回大石利佳子氏、高40回渡辺領子氏)
・懇親会
今回は会場前ロビーで久敬会員の絵画展が開催され、参加者の目の保養と語らいの場になっていました。また、当日は母校で文化祭があり、足を延ばした方もおられました。
さて、総会は高15回林ヶ谷氏の司会で始まり、辻副会長が、開式の挨拶のあと、健康上の理由でご欠席の大友会長のメッセージを代読されました。次に、久敬会名誉会長の岡崎校長がご挨拶され、茨高生気質は変わらないことや、国際情報オリンピックで、茨高生がみごと銅メダルに輝いたことなどを報告されました。最後に中村事務局長から会務報告がありました。
懇親会に先立ち、今回のスペシャル・アトラクションとして、姉妹デュオ「エール・ドゥ」(高37回大石氏、高40回渡辺氏)による歌とマリンバ&ピアノの演奏が行われました。クラシックから唱歌まで幅広いレパートリーをご披露くださり、その迫力の演奏と澄み渡る歌声に、皆うっとりと聞き惚れました。
懇親会では、まずご出席の顧問・参与の紹介がありました。前会長の大木顧問からは、久敬会が大阪府下で最も盛んな同窓会であるとのご挨拶があり、皆益々の発展を胸に期したことと思います。続いて、中田東京久敬会会長のご発声で乾杯し歓談に入りました。テーブルは同年代で着席するため、初めて会う人同士でも、お世話になった先生方のエピソードで盛り上がったり、現在のそれぞれの活躍ぶりを披露し合ったりと大いに話が弾みました。再び「エール・ドゥ」の歌と演奏を楽しみ、渡辺氏の校歌独唱の後、生澤副会長と高25回安田氏の音頭で校歌斉唱、そのあと橋参与から高6回三島元太郎氏が7月に能楽金春流太鼓方として人間国宝に認定されたとのご紹介もあり、宴も最高潮の中、来年の120周年記念総会での再会を約束し名残を惜しみながら、川井副会長の閉会宣言となりました。
参加者は115名、絵画展出展者は伊勢繁治(高16回)、戸塚善三郎(高16回)、故上島泰子(高17回)、福岡喜代子(高17回)、八木隆子(高24回)、後藤隆(高23回)
今回の担当は高15回(林ヶ谷、井上、猪俣)、高25回(伏木、関野)、高35回(小林、山下)、行事委員(辻本、安田、寺本、根来、中西、吉田、吉原、米川、後藤)、事務局
記録 山下好美
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