茨木高校15回生 学年同窓会開く
2017年11月16日(木)、ホテル阪急エキスポランド「星雲の間」で高校15回生学年同窓会が開かれた。エキスポランドは快晴。日本庭園の木々は早くも赤に黄に染まり、懐かしの太陽の塔がキラキラと輝く申し分ない“同窓会”日和であった。集まったのは恩師含めて120人。うち32人は4年7か月前の卒業50周年記念同窓会とは異なるメンバー、出席率は連絡のついた303人のおよそ40%であった。
準備
実は今回の同窓会は“想定外”。「何はともあれ同窓会」とでも言おうか。前回時に次は喜寿の祝いに、と決めていたのだが、3年経つか経たないかのうちに、「もう待てない」「あの時の感動をもう一度」などと、同窓会を希望する声があちこちから…70歳を越え、この4年余の間に亡くなったメンバーも少なくない我々には、無理からぬこと、か。
ともあれ、林ヶ谷由一朗氏を代表に、実行委員15人が準備を始めたのは2016年の春。前回に倣い開催予告を出し、本番のお誘いの手紙には一人一人にクラス担当委員が直筆でメッセージを添える、と決めて委員一同大車輪。なかでも、5人を擁する3組男性の面々は、会場探しから度々の下見まで、現場に何度も足を運ぶなど、見事な連携ぶり。やっぱり茨高生、やる時にはやりますねぇ。
当日
1時間前から受付を開始すると早々に、ヤアヤアと歓声が上がり、そこここですでに話が盛り上がっている。そんな中、駅からの道で女性メンバーが転んだ、と一報が入ると、男性陣が何人も駆けつけエスコート。席は同じゅうしても言葉も交わさなかった半世紀前の「石部金吉」とは大違い…これこそ同窓会の醍醐味というもの。今、席を共にすることの出来る幸せに、感謝、感謝。
12時、名司会・中島英征氏が「本日は“お忙しくない中”多数お集まりくださり…」と会場を笑いに誘って、一次会がスタートする。物故者(56人)に黙とうを捧げ、林ヶ谷氏が開会のあいさつ。「今回は互いの懇親を第一に、とプログラムを少なくしました。ゆっくりご歓談ください」。早速、容量随一の井上正一氏の音頭で乾杯の後、会食に移る。横の映写幕には高校時代の写真や、学年同窓会などのDVDが映し出されている。これは、長屋隆氏が長年撮りためたもので、まさしくお宝映像のてんこ盛りだ。
少しおなかの虫が収まった頃、出席者紹介。2人の司会が各クラス指定の席に座る面々を「昔の名前」で読み上げ、出席を取る形をとった。旧姓でたちまち54年前の高校時代に戻り、ハ~イ!と手を挙げ大きな返事をする。拍手の起こる人、笑いが起こる人、昔の面影と全然一致しない人(男性が多いような…)、相変わらずかわいい人(たまに男性も)、皆それぞれにここに集えたことを喜び合った。
生徒が出そろったところで、8組の青木昭二先生にお言葉を戴いた。受持ちの先生方では青木先生を含め4方がご存命だが、1組福家先生、5組安藤先生、6組田中先生はお元気ではあるもののご高齢で足をお運び頂けなかった。その中で間もなく卒寿をお迎えという青木先生の、背がしゃんと伸び足取りも軽く壇上に上がられるその元気さ若さは、どこから来るのだろう。お話によればまずは早起き、ラジオ体操の後朝ドラをゆっくりご覧になって毎日規則正しい生活をされている由。もちろん今もゴルフなどの運動もなさるし、「スマホ」にも挑戦されているとか。我々も負けてはおられない。姿勢や頭髪など、すでに大負けしている者もいるけれど、喜寿と言わず、卒寿、白寿も同窓会で祝わねば…。委員のみなさん、目標が一杯できましたよ、また頑張りましょう!
そこから1時間余り、クラスも男女も越えて、昔話はもちろん、来し方、行く末の夢など尽きないおしゃべりが続く。林ヶ谷氏の渾身の作・同窓生の近況報告一覧に見入る人も。橋本怜氏が借りてきてくれた久敬会旗と4万円余の大枚を張込んだ会場内の吊り下げ看板のお陰で、ばっちり様になった壇上を、「有効利用するように」、と中島氏が促すと、クラスや出身中学ごとに記念撮影が続々、大賑わい。中には檀に収まりきらないクラスや中学もある一方、出身中学からの出席者がいなくて残念な思いをしたという人もいた。一言お声掛け頂いたら、何かご縁を捻り出してご一緒したのに…。
3時間というのは長いのか短いのか。あっという間に閉会時間に近くなり、恒例となっている校歌斉唱に移る。今回の指揮は母校100周年記念行事の折、「天つ空みよ」のタクトを取った金田康子さん。甘い歌声が素敵な前回指揮者・沖誠人氏は、音響裏方を担当。続いて「高校3年生」を声張り上げて皆で唄う。「高校3年生」は15回生が茨高を卒業した昭和38年に発売された、まさしく「我らが青春歌」。ことあって集まればお開きはいつもこの「高校3年生」なのである。
閉会の辞は安岡伸之氏。安岡氏は千葉県佐倉市在住ながら何度も開いた打合せ会にもほとんど休まず出席の委員の重鎮…いつもありがとうございます。台本なしの愉快な締めで一次会はお開きになった。
二次会
と、ここでお終いとならないのが15回同窓会の素晴らしさ。10分後、会場をすぐ横の「月光の間」に移し、二次会が始まった。席は卒業時のクラス毎だった一次会と代わり、入学時のクラス毎に設けられている。野中康子さんの司会、浅井史子さんの乾杯音頭で始まった二次会も、90人が参加する盛況だった。不参加のつもりだったけど、やっぱり!と急きょ参加することにした人もいたが、一次会で帰った人たちは、関西以遠から駆け付けたが今日中に帰らないといけない女性や、介護の必要な奥さんを長時間置いてはおけないという男性など、みな後ろ髪引かれる思いであったろう。プログラムなしの自由歓談ながら、近々発売の自著をPRする人もいて、時間は短くも、和やかな時間が流れた。一次会で走り回った委員たちもここで一服。
午後5時、委員代表の林ヶ谷氏の出席者と関係者への感謝とまた会いましょう!の言葉で二次会も閉会となった。別れがたく互いに握った手をなかなか離せない友、夕やみ迫るエキスポランドを三々五々散って行く仲間たち、次回もきっときっと! 元気でいよう!
遠くは秋田大館からの女性、いや、オーストラリアから駆け付けた男性もいた。皆々から「ありがとう!」「楽しかった!」の言葉の嵐に、委員たちの目も胸もじんわり熱く…とっぷりと暮れた帰り道、降りてきた冷気が頬に心地よかった。
「何はともあれ同窓会」、なんてワンダフル!(2018年、戌年とかけて)
(猪股満智子 記)