第4回 久敬会ミニ講演会のご報告

2015年02月17日(火)更新
第4回 久敬会ミニ講演会
演題:地球生命の基本―アミノ酸・ペプチドを知ることで高血圧、糖尿病、アルツハイマー病、エイズなど難病の克服は可能
講師:木曽良明 (高16回) (長浜バイオ大学客員教授)
日時:2015年2月1日(日)14時から16時
参加者:28名
担当行事委員 辻本、根来、中西、米川

 世界的に活躍されている木曽先生には、今回の講演は国際会議での英語の講演より難しかったようだった。専門用語を使わずに、一般向けに解りやすく話してほしいとの注文に応えることは大変だったと思われる。当日は大変寒い日だったが、参加者は木曽氏と同期の方々が多く、元生物教員、薬学部出身の方々も熱心に聞いておられた。
 前半は宇宙誕生138億年、地球誕生46億年、生命誕生38億年の話から始まり、生体物質として核酸とアミノ酸・ペプチドの重要性を説明された。生理活性物質としてのペプチド(アミノ酸100個以下の連鎖)について、インスリンと糖尿病、オキシトシン、バソプレッシン、ガストリンなどのペプチドホルモンの働き、またアルツハイマーなど難病に効果があるペプチドについても述べられた。一般にカレーや赤ワインがアルツハイマー病の予防に効き目があると言われているのは学問的に本当であると説明された。
 後半は木曽先生の研究成果として、HIV(エイズウイルス)によるエイズ、アルツハイマー、マラリア、成人T細胞白血病などの難病に関係するそれぞれの酵素の阻害剤(ペプチド治療薬)の創薬について話された。特に、HIVに対する創薬の話、酵素と阻害薬の分子模型のカラー写真は大変印象的だった。(後述の説明文と写真を参照)
 難しい話であったが、ノーベル賞を目指しての世界各国の方々との研究協力などの話には、最先端の学問研究の熱気が感じられ、大変興味深いものだった。
 後の質問では、我々の大きな関心事であるアルツハイマーに有効な治療薬があるのかとの質問があり、アミロイドペプチドに対する抗体薬は治療効果があると答えられた。
 

【講師プロフィール】
 茨木小、養精中、茨木高、京大薬、京大院博士、京大薬助手、ピッツバーグ大医リサーチアソシエート、徳島大薬助教授、京都薬大教授、創薬科学フロンティア研究センター長、大学院薬学研究科長、日本ペプチド学会長、21COE拠点リーダー、第5回国際ペプチドシンポジウム会長、長浜バイオ大客員教授。日本ペプチド学会賞、Cathay Award、日本薬学会賞、Akabori Memorial Award。



【HIVに対する創薬】  
 HIV感染細胞の中で、前駆たんぱく質からウイルスの酵素と構造たんぱく質を生成し、感染性ウイルスへと導くHIVプロテアーゼを阻害することは、エイズの有効な治療法となる。
 HIVプロテアーゼ阻害剤は、Phe-ProというHIVプロテアーゼに特徴的な切断部位に着目することにより、高い選択性を持ち、副作用の少ない抗HIV薬のデザインも可能になると考えられた。
 KNI-272は細胞膜透過性が良好なことより、腸管からの吸収が優れており、経口投与も可能である。さらに化学構造も簡単なトリペプチド誘導体であることから化学合成も容易で、大量の供給が可能である。
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第3回 久敬会ミニ講演会のご報告

2015年02月17日(火)更新
第3回 久敬会ミニ講演会
演題: 三島の古墳を訪ねて
講師: 吉村 健(茨木高校社会科教員)
日時: 2015年1月24日(土)14時~16時10分
参加: 25名
担当行事委員: 辻本、安田、根来、中西

 講師の吉村氏は、茨木高校と縁があり、2度目の勤務でその9年目を迎えられている。学校では指導教諭、120周年記念誌講師編纂委員長と多忙の中、三島地区にある古墳について講演いただいた。茨高のある北摂の地、なかでも三島地区はまさに弥生時代や古墳時代の遺跡の宝庫である。校舎建て替えの際新庄遺跡が発見されたこと、旧本館AB間の中庭に長らく長持型石棺が置かれていたことなどは、必然のなせる業だったのだという思いを抱かされた。穏やかな口調から出てくる古墳への熱い思いの詰まった130分ノンストップの講演は、時間の経過を忘れるほどだった。

※ 「摂津・三島西部の古墳時代後期首長墓」が、大阪府立近つ飛鳥博物館(南河内郡)特別展示室で
   1月24日(土)から3月22日(日)まで展示されています。興味のある方はそちらもご覧ください。
 
 
【講師プロフィール】
 中学生の頃から古墳に興味を持ち、高2の夏には大学で考古学を学ぶことを決意。岡山大学では近藤義郎、春成秀爾両先生の薫陶を受ける。就職する際、発掘技師になるか教員になるかで悩むが、研究の成果を社会に還元する仕事により強い魅力を感じ、教員の道を選ぶ。茨木高校勤務(1984~1990年度・2006年~現在)のほか、弥生文化博物館(1991~93年度・2003~05年度)等にも勤務。
 
【講演内容】
 以下の文は講師からいただきました。
久敬会ミニ講演会(第3回)
2015年1月24日(土)
「三島の古墳を訪ねて」講演要旨
大阪府立茨木高等学校
指導教諭 吉村 健

 茨木高校の地元である三島地域には多くの古墳があり、古墳時代の各時期(前期・中期・後期・終末期)の代表的な古墳をひととおり見ることができます。講演会では、日本史の授業でも取り上げている各時期の代表的な古墳を中心に紹介しました。

1.() 金 山(きんざん)古墳
 全国的にも著名な前期の前方後円墳で、墳丘長は約110mあります。1947年に京都大学考古学研究室によって後円部の竪穴式 石 槨 (せきかく)が発掘され、青銅製の鏡12面、腕輪形石製品7点など貴重な副葬品が見つかりました。鏡の中には、古代中国の王朝である新で造られた方 格(ほうかく)規矩 (き く )()神 (しん)鏡や、魏で造られたという説が有力な三角縁神獣鏡などが含まれています。これらの遺物は現在、大阪府立(ちか)つ飛鳥博物館で常設展示されています。なお、この古墳は2003~04年に京都大学考古学研究室によって墳丘の発掘調査が行われ、葺石や円筒埴輪が確認されました。

2.太田茶臼山古墳(現・継体天皇陵)
 中期の前方後円墳で、墳丘長約226mは北摂最大です。墳丘の周囲に周濠、さらにその外側に周庭帯が廻っていること、くびれ部(前方部と後円部が接続する箇所)に造り出しがあること、周庭帯の外側に (ばい)(ちょう) と呼ばれる小古墳があることなど、中期古墳の特徴をよく備えています。現在は宮内庁によって「継体天皇三嶋藍野陵」に指定されていて立ち入りや発掘調査ができないため、どういう埋葬施設や副葬品があるかは不明です。ただ、他の中期の大型前方後円墳から類推して、竪穴式石槨に 長 持 形 (ながもちがた)石棺が安置されている可能性が高いと考えられます。周濠の外側、宮内庁の管理区域外のところでは狭い範囲ながら発掘調査が行われていて、5世紀の円筒埴輪が確認されています。継体大王は6世紀前半の人物ですから古墳の示す年代とは合致しません。真の継体大王の墓は高槻市の今城塚古墳というのが考古学界の定説です。
 ちなみに長持形石棺は、大正時代以来、長年、本校に高槻市の前塚古墳で出土したものが置かれていました。現在、この石棺は近つ飛鳥博物館で常設展示されていて、本校には複製品が社会科教室に置かれて日本史の教材として活用されています。

3.今城塚古墳
 後期の前方後円墳で墳丘長は約190m、二重の周濠がめぐっていて総長は350mもあります。墳丘の形態や出土した埴輪から6世紀前半の築造と考えられ、この時期の前方後円墳としては全国最大で、真の継体大王の墓という説が有力です。墳丘は戦国時代に城として再利用されたためかなり崩れていますが、1997年から10年間、高槻市教育委員会によって継続的に発掘調査が行われた結果、北側の内堤(内濠と外濠の間)で、家、巫 女(み こ)、武人、水鳥などさまざまな形象埴輪が並ぶ埴輪祭祀場が見つかり、大王陵の埴輪祭祀の実態が初めて明らかになりました。その他にも、後円部で墳丘にしみこんだ雨水を排出するための「墳丘内石積」と排水溝、巨大な横穴式石室を支えた「石室基盤工」が発掘されるなど、多くの貴重な発見がありました。現在、古墳は史跡公園として整備・公開され、発掘された埴輪群や石棺の破片などは古墳に隣接する高槻市立今城塚古代歴史館で展示されています。

4.新池遺跡〔ハニワ工場公園〕
 太田茶臼山古墳や今城塚古墳で使われた埴輪を生産していた工場の遺跡です。遺跡の存在は半世紀以上前から知られていましたが、住宅建設に先立って1988年から行われた発掘調査で埴輪を焼いていた登り窯18基と、埴輪を製作していた大形の方形竪穴建物3棟などが見つかり、『日本書紀』(きん)(めい)天皇23年条に記されている「摂津国三島郡埴廬(はにいお)」に相当する施設と考えられます。遺跡は国史跡に指定されて史跡公園として整備・公開されています。

5.(みの)(はら)古墳
 帝人の研究所の敷地内にある古墳で東西16m南北20mを計ります。しかし、墳丘は周囲がかなり削られているので、もとは直径32m程度の円墳と推定されています。墳丘の内部に全長約14mの見事な横穴式石室があり、実際に中に入ることができます。石室の中には2基の家形石棺が置かれていますが、これだけ立派な石棺は北摂ではなかなか見ることができません。発掘調査が行われておらず正確な時期は不明ですが、6世紀末ないし7世紀初めと推定されています。
 講演会では以上のほかに、授業では取り上げていないが重要な古墳として安満(あ ま)宮山古墳、闘 鶏 山(つ  げ やま) 古墳、総持寺古墳群、(かい)北 塚( ぼう づか) 古墳、阿武山古墳も紹介しました。以下、各古墳の重要なポイントを簡単に示しておきます。

6.安満宮山古墳
 ・三島地域で最古級の古墳のひとつ。青龍三年(235年)の銘を持つ方格規矩四神鏡、三角縁神獣鏡などが出土。

7.闘鶏山古墳
 ・未盗掘の竪穴式石槨が確認され、ファイバースコープで内部を調べたところ、方格規矩四 神鏡や三角縁神獣鏡が副葬されていることがわかった。

8.総持寺古墳群
 ・太田茶臼山古墳の約1km南に位置する中期の群集墳。東西約130m、南北約110mの範囲  に約40基の小方墳が密集している。新池の埴輪窯で造られた埴輪が使われており、太田茶  臼山古墳の被葬者との関連が注目される。

9.海北塚古墳
 ・直径25m以上の円墳と推定される後期古墳。横穴式石室の中から環頭大刀の柄頭や馬具、  須恵器などが出土。これらの遺物は3月22日まで大阪府立近つ飛鳥博物館の冬季特別展「歴史発掘おおさか」で展示されています。ぜひ、ご覧ください。

10.阿武山古墳
 ・1934年、京都大学地震観測所の工事中に発見された。終末期(7世紀)の古墳で、横口式  石槨(内法の長さ約2.6m)の中に夾紵棺を収めている。玉枕、冠帽という特殊な副葬品  があり、藤原鎌足の墓という説が有力。
 
 講演会の最後に、生徒がホンモノの考古資料にふれる機会を作りたいという思いから、校舎の建て替えにともなう発掘調査で見つかった新庄遺跡の出土品(弥生土器と石器)を2008年度から社会科教室で展示していること、毎年12月に日本史を選択している生徒全員を対象に茨木市立文化財資料館の見学会を行っていること、2012年度の後期には文理学科の専門科目「課題研究」のひとつとして「考古学入門」を開講し、中条小学校遺跡で発掘体験を行ったことも紹介しました。
 
1.紫金山古墳に副葬されていた青銅鏡群
(出典:『大阪府立近つ飛鳥博物館図録29 大阪府の主要古墳 紫金山古墳』(2003年))
2.太田茶臼山古墳の全景
(出典:『大阪府立近つ飛鳥博物館図録18 百舌鳥・古市  門前 古墳航空写真コレクション』(1999年))
3.前塚古墳の長持形石棺
  (大阪府立近つ飛鳥博物館にて筆者撮影)
4.今城塚古墳の埴輪祭祀場の復原
  (筆者撮影)
5.新池遺跡(ハニワ工場公園)の現状
  (筆者撮影)
6.耳原古墳の横穴式石室
  (筆者撮影)
7.茨木市立文化財資料館の見学会
  (学芸員の引率で収蔵庫を見学)
8.中条小学校遺跡での発掘体験
  (古墳の周濠を掘り下げる)
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第2回 久敬会ミニ講演会のご報告

2015年01月08日(木)更新
第2回  久敬会ミニ講演会

演題:介護保険制度を知ろう~望む暮らしの実現のために~
講師:山本京美 (高36回)  (介護福祉士、主任介護専門員)
日時:2014年11月30日(日)14時から16時
参加:18名
担当行事委員:辻本、安田、中西

 当日の参加予定者(申込者)は31名であったが、その日JR吹田駅での事故のため正午頃から大阪京都間の電車が不通となった。このため参加を断念された方もあって、出席者は少なかった。この講演については関心が深く、それぞれ自分自身のこととして、また親のことを考えて熱心に聞いておられた。講演の後の質問では、現在切実に悩んでおられる方がアドバイスを求められたのに対し、ご講師の丁寧な説明を皆、自身の問題のようにじっくり聞いておられた。
 山本氏には、介護保険制度について、現場から生きた情報とともに、すぐ役立つ知識についてお話しいただいた。
①介護度がどのように決定するのか。
  申請と認定のための調査項目
  ・麻痺等の有無 ・関節可動域の制限 ・座位保持 ・両足での立位 等々
②どのようなサービスが利用できるのか
  ・居宅サービス ・施設サービス ・地域密着サービス
③老後の位場所にはどのようなところがあるのか
  ・施設で安心して暮らす ・自宅で最期まで過ごす ・子供に迷惑をかけない
④ケアマネは何をしてくれる人なのか
  ・利用者の代弁 ・リスクと可能性を専門職として示す
 これらのことを知っているかいないかで、将来の自分たちの人生が大きく変わると実感した。当日参加できなかった皆さまにも、是非、資料にお目通しいただきたいと思う。
 
   
 
【講師プロフィール】
 ノートルダム女子大学文学部英語英文学科卒業。2001年ホームヘルパー2級講座受講をきっかけに高槻市社会福祉事業団に勤務。介護福祉士、介護支援専門員資格取得。大阪府社会福祉協議会事業のコミュニティーソーシャルワーカーとしても活動。現在は社会福祉法人成光苑高槻けやきの郷居宅介護支援事業所で主任介護支援専門員として勤務。
 
【講演内容】
 以下の文はご講師からいただきました。スライドは主なもののみ掲載します。 ≫ 続きを読む
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2014年度久敬会総会報告

2014年12月24日(水)更新
2014年度久敬会総会報告
日時: 2014年10月26日(日)15:00~17:30
会場: 茨木市役所南館9階茨木スカイレストラン
次第: ・会長挨拶、校長挨拶、会務報告
     ・歌と演奏 姉妹デュオ「エール・ドゥ」(高37回大石利佳子氏、高40回渡辺領子氏)
     ・懇親会

 今回は会場前ロビーで久敬会員の絵画展が開催され、参加者の目の保養と語らいの場になっていました。また、当日は母校で文化祭があり、足を延ばした方もおられました。

 さて、総会は高15回林ヶ谷氏の司会で始まり、辻副会長が、開式の挨拶のあと、健康上の理由でご欠席の大友会長のメッセージを代読されました。次に、久敬会名誉会長の岡崎校長がご挨拶され、茨高生気質は変わらないことや、国際情報オリンピックで、茨高生がみごと銅メダルに輝いたことなどを報告されました。最後に中村事務局長から会務報告がありました。

 懇親会に先立ち、今回のスペシャル・アトラクションとして、姉妹デュオ「エール・ドゥ」(高37回大石氏、高40回渡辺氏)による歌とマリンバ&ピアノの演奏が行われました。クラシックから唱歌まで幅広いレパートリーをご披露くださり、その迫力の演奏と澄み渡る歌声に、皆うっとりと聞き惚れました。

 懇親会では、まずご出席の顧問・参与の紹介がありました。前会長の大木顧問からは、久敬会が大阪府下で最も盛んな同窓会であるとのご挨拶があり、皆益々の発展を胸に期したことと思います。続いて、中田東京久敬会会長のご発声で乾杯し歓談に入りました。テーブルは同年代で着席するため、初めて会う人同士でも、お世話になった先生方のエピソードで盛り上がったり、現在のそれぞれの活躍ぶりを披露し合ったりと大いに話が弾みました。再び「エール・ドゥ」の歌と演奏を楽しみ、渡辺氏の校歌独唱の後、生澤副会長と高25回安田氏の音頭で校歌斉唱、そのあと橋参与から高6回三島元太郎氏が7月に能楽金春流太鼓方として人間国宝に認定されたとのご紹介もあり、宴も最高潮の中、来年の120周年記念総会での再会を約束し名残を惜しみながら、川井副会長の閉会宣言となりました。

 参加者は115名、絵画展出展者は伊勢繁治(高16回)、戸塚善三郎(高16回)、故上島泰子(高17回)、福岡喜代子(高17回)、八木隆子(高24回)、後藤隆(高23回)
 今回の担当は高15回(林ヶ谷、井上、猪俣)、高25回(伏木、関野)、高35回(小林、山下)、行事委員(辻本、安田、寺本、根来、中西、吉田、吉原、米川、後藤)、事務局

記録 山下好美
 
  
 
  
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第1回 久敬会ミニ講演会のご報告

2014年12月24日(水)更新
第1回  久敬会ミニ講演会
演題:ライフサイエンスからライヴサイエンスへ 
―ヒトの内なる自然を知るための知識と技術の融合―
講師:山岸 敦 氏 (高43回)
  (理化学研究所ライフサイエンス技術基盤研究センター チーフ・サイエンスコミュニケーター)
日時:2014年10月12日(日)14時から16時
参加:19名
担当行事委員:辻本、中西

 山岸氏にはご多忙の中、STAP細胞で有名になった(後で質問も出た)理研から来ていただいた。氏の所属するライフサイエンス技術基盤研究センター長の渡辺恭良氏(高21回)は山岸氏の茨高先輩に当たる。本日の話題である「分子イメージング」は当センターの「生命機能動的イメージング部門」が行っている研究である。
 分子イメージングとは、私たちの体の中で働いている分子に特別な目印(放射線を出す物質など)をつけて、PET(陽電子放出断層画像法)などにより体内での様子を、外から観察する方法である。特定の分子が体のどこで何をしているかを調べることにより創薬や病気の診断に利用されている。具体例として、乳がんやアルツハイマーの早期診断について説明していただいた。この度は、サイエンスコミュニケーターとして、科学研究(医学)の社会的貢献について、わかりやすく興味深く話された。
 当日は、連休中で秋の行事が多く、参加者が少なかったが、熱心に聞いておられ質問も多くあった。後日、玉石和代氏(高16回)は、読売新聞2014年10月20日の投稿欄「気流」にこの会に参加した思いを、「まず第一歩が興味を呼び起こす」の題で次のように書かれている。
 『高校の同窓会報を見て、「ライフサイエンスからライヴサイエンスへ」~ヒトの内なる自然を知るための知識と技術の融合~などという、さっぱり訳のわからないテーマの講演会に参加した。講演内容が理解できるかどうか危惧しながら席に着いた。開会直後、ルネサンス期の画家ラファエロのフレスコ画「アテネの学堂」が映し出された。アリストテレスとプラトンが描かれ、講演は哲学から?と思いきや、生物学から医学へ、そしてがんや認知症など身近な問題へと移って行った。生物学と医学の密接な関わりによって新しい薬や治療法が開発されたことや、ヒトを対象とした研究や技術開発の進展などがわかりやすく説明され、自分なりに生命と医療に関して考える機会を得た。理解できないような難解なテーマの講演も、一歩入ってみれば興味を呼び起こすこと改めて感じた。』

  
 
(講師プロフィール)
▪   理化学研究所ライフサイエンス技術基盤研究センター チーフ・サイエンスコミュニケーター/大阪医科大学非常勤講師/日本発生生物学会会員
▪   1995年名古屋大学理学部卒業。1999年同大大学院理学研究科博士課程退学。京都大学人文科学研究所、JT生命誌研究館、理化学研究所分子イメージング科学研究センターを経て2013年より現職。
▪   著書: 『「生きている」を見つめる医療―ゲノムでよみとく生命誌講座』(2007年 講談社、共著)、『たまご大図鑑』(2012年 PHP研究所、監修)、『しぜん-キンダーブック第43集「たまご-うまれる-」』(2014年 フレーベル館、監修)

(講演内容) 以下の文はご講師からいただきました。

ライヴサイエンスと分子イメージング
 ライヴサイエンス(Live Science)は、私の所属する理研ライフサイエンス技術基盤研究センター(Center for Life Science Technologies:CLST)が掲げている旗印の一つです。生命活動(Life)をライヴ(Live)でありのままに理解したい、そしてその成果を私たちの健康な暮らし(Life)を支える技術として活用したいという思いが込められています。ライヴサイエンスを実現するため、センターでは、体の中ではたらくタンパク質などの生体分子の構造を原子レベルで理解する構造生物学や、細胞の遺伝子発現を網羅的・定量的に解析するトランスクリプトーム、そして個体レベルで生体分子の動きを追跡する分子イメージングなどを駆使しています。今回は主に、分子イメージングを用いて明らかになった病気と分子の関係、そして診断や創薬に向けた取り組みを紹介します。

人は何を観てきたか
 最新のイメージング技術をお話しする前に、まず人間は生きものをどう観てきたか、その歴史を振り返ってみます。生物の教科書では、生物学の祖としてアリストテレスが登場します。古代ギリシャを代表する哲学者であり、さまざまな生物を観察、分類し、生物解剖も行っています。その業績は、中世にいたるまで大きな影響を及ぼしました。
 ルネサンスの時代になると、ダ・ヴィンチやヴェサリウスが人体の解剖に取り組み、生物としてのヒトの構造を観察し理解する解剖学が発展しました。動物に対してもヒトに対しても、肉眼で見えるところは外から中まで全てを記述するマクロレベルの観察は、生物学・医学の基本です。
 一方、肉眼で見えない微細構造の記述を可能にしたのが、顕微鏡の発明です。17世紀にロバート・フックが、自作の顕微鏡でコルクを観察し、生物の共通単位である細胞を発見しました。光学顕微鏡や電子顕微鏡の発展は観察対象をよりミクロの世界へと広げ、さらに、細胞の中ではたらく分子のかたちを観る技術も登場します。その究極の成果とも言えるのが、X線結晶構造解析法によるDNA立体構造の報告でしょう。細胞の中にはDNAが規則正しい二重らせんの形で存在しており、この形にこそ生命の営みの原理(セントラル・ドグマ)が隠されていたのです。

遺伝子からパターンへ
 DNAにたどり着いた生物学は、DNAのはたらきから生命を理解する分子生物学へと向かいました。そこで発達した技術の一つが、遺伝子が体のどこではたらいているかを観察する方法です。この技術が特に活躍したのが、私の大学時代の専門である発生生物学と呼ばれる分野です。
 発生生物学では、昆虫の代表としてしばしばショウジョウバエが用いられます。昆虫の代表というより、節足動物の代表と言った方が良いかもしれません。体節という繰り返し構造で体ができている動物です。この体節がいつできるかというと、孵化するはるか前の卵の中で、すでに体をくびる線が現れています。ではそのくびれができる前には、体に何が起きているのでしょうか。
 発生学者は、体節をつくる遺伝子がどこではたらいているかを可視化することに成功しました。驚いたことに、将来節になる部分に一致して、遺伝子のはたらく場所は卵に縞模様を描いていたのです。外見からはただの細胞の固まりですが、形をつくる遺伝子のはたらく場所は、ある特定のパターンとして観察できることがわかりました。この手法はすぐに他の動物にも応用されました。脊椎動物にはハエのような体節はありませんが、背骨やあばら骨のような繰り返し構造を生むパターンの形成には、ハエと共通な遺伝子がはたらいていることもわかりました。様々な動物の発生を遺伝子のはたらきで比較し、かたちの進化のメカニズムに迫る研究も進んでいます。

時間の中で生命現象を観る
 このように、マクロからミクロへ、かたちからパターンへという観察対象の広がりが生物学の発展を加速させてきました。そして近年、新たなイメージング技術が、生物に流れる時間を捉え始めています。生きた細胞や個体の内部を継時的に観察するライヴイメージングです。
 細胞や組織を可視化するには、一般的な手法では固定して染色する必要があります。この場合、例えば一連の生命現象の時間経過を見たければ、複数の細胞や個体を時間差で処理したものを並べることにより、1つの細胞や1つの個体を連続的に観察したとみなして議論を進めることになります。しかし実際に行っているのは、異なる細胞や異なる個体についての観察の集合体です。そのため、細胞ごとのばらつきや個体差が問題となる場合があります。また集団を平均化することによって、微小な変化を見過ごしてしまう危険性もあります。
 一方、ライヴイメージングは、同一細胞・同一個体における時間の変化を追うことができます。これにより、生命活動を支える生体分子のダイナミックな姿が次々に明らかになってきました。また、受精卵が分裂して体をつくりあげるまでに、どの細胞がいつ分裂してどこに移動するか、一つ一つ追跡することも可能です。詳しい説明は今回は省きますが、ノーベル賞でも有名になった蛍光タンパク質を用いた様々な観察例が、大学や研究機関のwebページで紹介されていますのでぜひ探してご覧ください。

ヒトを診るイメージング
 さて「生きたまま観察」という手法を技術的な観点で言うと、生体になるべくダメージを与えない観察法ということになります。これが特に重要な意味を持つのは、ヒトを対象とする研究です。医学用語に侵襲という言葉があり、体を傷つけることをさしますが、手術などやむを得ない場合を除き、検査・診断などでは低侵襲、非侵襲であることが強く求められます。そこで活躍するのが、皆さんご存知のX線やMRIなどの画像診断です。
 画像診断は、一般的には骨や内臓などの「かたち」を観るというイメージがあるかもしれませんが、実は体の中の分子を観察する画像診断もあります。その代表例がPET(Positron Emission Tomography:陽電子放射断層画像法)です。これは、放射性同位体で標識した分子を体に投与した後、その分子の体内での動きを体の外から検出し、画像化する方法です。CLSTでは、PETを用いてさまざまな病気の診断を可能にしたり、よりよい薬や治療法の開発に役立てることを目指しています。
 PET診断は主に、がんの早期発見で活躍しています。ここで観察対象としているのは、糖分子(グルコース)です(厳密には、グルコースの構造を一部変えてフッ素の放射性同位体を組み込んでいるので、似ているけど違う分子です)。糖はエネルギー源として体中の細胞で吸収されますが、特にがん細胞は増殖のために大量の糖を取り込む性質があります。そこで、体の中の糖を可視化することで、異常な糖代謝を行う細胞を見つけ、がんの場所を突き止めるのです。
 現在、がんの場所を突き止めるだけではなく、がんの種類を見分け、どの薬が効くかという情報までPET診断で知るための研究開発を行っています。がんは体の中の細胞に由来しますから、患者さんのがん細胞の性質を詳しく調べるためには、がん細胞を体の外に取り出して検査する必要があります。これを画像診断で済ますことができれば、患者さんの負担を大きく減らすことができます。具体的には、乳がんに対する新しいPET診断法の確立を、国立がん研究センターと共同で行っています。(http://www.riken.jp/pr/press/2012/20120606/)。
患者さんごとに最適な治療・投薬を行うことを「個別化医療」と呼びますが、その前提となる患者さんの正確な診断を、非侵襲の画像診断で行うわけです。

分子と病気の関係を観る
 病気の発症には、体の中ではたらく様々なタンパク質(分子)が関与していると考えられます。分子の異常をいちはやく察知しそれを正常な状態に戻すことができれば、発症する前に治療する究極の予防が可能になるかもしれません。このような考え方は「先制医療」と呼ばれ、いま注目されている医療テーマです。特に生活習慣病は、発症するまで時間がかかり、発症後の治療で完治させることが難しいことが多いため、先制医療の実現が期待されています。
 そこでCLSTでは、PETによる発症前診断・早期診断の実現に向けて、がんや認知症のほか、
痛風(http://www.riken.jp/pr/press/2011/20111202_2/)、
緑内障(http://www.cmis.riken.jp/news/2012/0201glaucoma.html
などにも取り組んでいます。また慢性疲労症候群のような従来の医学検査では身体的な異常を見つけることができなか
った疾患についても、PET検査による病態の解明が期待されています。(http://www.riken.jp/pr/press/2014/20140404_1/

○○の狩人
 第二次大戦後しばらくの間まで、日本人の死因の大半を占めていたのは結核に代表される感染症でした。現在は皆さんご存知の通りがんがトップであり、糖尿病などの生活習慣病、認知症が高齢社会の課題となっています。多くの人が罹ってしまう病気の原因は、この100年の間に、外因(体の外から来る病原体)から内因(個人の体質)にシフトしていったのです。
 19世紀から20世紀初めにかけて、「微生物の狩人」は、微生物学や免疫学を駆使し、感染症に対する治療や予防法を確立しました。そして分子生物学が興った20世紀半ば以降、がん遺伝子や生活習慣病関連因子を突き止める「遺伝子の狩人」が活躍しています。次に登場すべき狩人は、病気になる前の私たちの体の中では何が起きているのかを正確に知り、先制医療の実現を目指す「未病の狩人」ではないでしょうか。ヒトを知る科学・ヒトを観る技術の一層の発展が必要であることを、この機会に知っていただければ幸いです。

*  今回引用した研究成果は、ライフサイエンス技術基盤研究センター生命機能動的イメージング部門と、その前身である理研のセンター(分子イメージング科学研究センター)で行われたものです。これらの研究をご支援くださった方々に感謝いたします。
*  ライフサイエンス技術基盤研究センターにご関心のある方は
センターのweb(http://www.clst.riken.jp/index.html)を、分子イメージングについては
パンフレット(http://www.riken.jp/~/media/riken/pr/publications/pamphlets/clst-general.pdf)を
ご参照ください。

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就活支援行事ご報告

2014年05月19日(月)更新
就活支援行事ご報告
日時:2014年1月25日(土)14:00~
場所:久敬会館 2F会議室
第1部 講演会「~若い会員の方へ~『可能性への挑戦!』(自己実現と就活)」
第2部 ディスカッション
第3部 懇談会
 
<はじめに>
 若手の会員向けに何かイベントができないかということで、かねてから検討していたところ、就活をテーマにした行事ならニーズがあるのではないかと考え、このたび総務委員会と行事委員会の共催という形で、就活支援行事を行うことになりました。当初、会報やホームページの告知だけではなかなか周知ができず、参加申込者がほとんどいない状況でしたが、二十歳の会やSNSを通じて広めてもらった結果、最終的に34名(内若手の参加者24名)の参加を得ることができました。
 
<第1部:講演会>
 演題:~若い会員の方へ~『可能性への挑戦!』(自己実現と就活)」
 講師:清水 勝 氏(高16回) 関西学院大学講師(キャリアコンサルタント)
 
 第一部は基調講演会として、高16回の清水 勝さんを講師にお迎えしました。清水さんは関学を卒業後安田生命に入社、営業を経て商品課長、マーケティング部次長、支社長を経験。旧安田ライフ損保(株)取締役退任後にキャリアコンサルタントの資格を得て、現在は大学講師や、企業の研修講師をされています。関西学院大学ではキャリア教育『社会の中での自分』(春学期)、『ソーシャルスキルとチームワーク演習』(秋学期)を担当。昨年までは厚生労働省の進める『ジョブ・カード』講習の講師を務められました。
 講演中には自己診断チェックシートを使った演習などもあり、参加者一同リラックスした雰囲気で行われました。
 
1. 大学生の傾向と課題
大学の数が増加し、少子化もあいまって大学全入時代を迎えている。そんな中、大学に進学する理由は「学歴が必要だから」という理由が増加傾向で、「自分のしたいことを探す」と答える学生は減少傾向である。また、就職先の希望についても「安定している」が増加している半面、「自分の能力を活かせる」という回答は減少傾向である。
授業の出席率はおおむねいいが、積極性に欠ける学生が多い、読書量が極端に少ないのも最近の傾向。

2. キャリア教育の背景
 終身雇用の崩壊など単に会社に入ればいいという時代ではなくなってきた。就職活動も早期化し、学生が十分に将来のことを考える余裕がなくなっている。企業も、かつては新人の仕事であった単純な仕事がIT化され、いきなり専門的な仕事を新人に任せることが多くなってきた。そんな中、大学も単に就職を支援するだけでなく、キャリア支援教育をするようになってきた。
 3回生のインターンシップは是非いろいろな企業を体験して欲しい。単なるアルバイトと違う。仕事の多様性を知って欲しい。
 採用にあたって企業が重視することのトップはコミュニケーション能力である。
-コミュニケーション能力の自己診断表を使って参加者で演習-
 効果的なコミュニケーションの5要素
自己概念 ②傾聴 ③明確な表現 ④感情の取り扱い ⑤自己開示

3. 自己実現と就職
 学生に希望職種を聞くと「企画」「商品開発」「広報」が多い。いずれも経験が必要な業種で、いきなり新入社員が取り組むのは難しい。希望通り配属されなかったからといってやめたりせずに取り組んで欲しい。
 30代前半まではとにかくがむしゃらに仕事に取り組んで経験を積み、30代後半から自分は何を目指すべきかゴールを見据えて取り組むのが良い。
 3年間で3割の人が離職している。転職ではなく「展」職であればいい。単にいやだからやめるのではなく、将来の発展につながる「展」職であるべき。
 会社選びのポイントとして経営内容や労働条件など色々あるが、やはり「縁」の要素も大きい。最終的には色々企業研究した上で、自己の価値観にあった企業を選ぶこと。

4. 企業は可能性(ポテンシャル)を求めている
 企業は即戦力よりも潜在可能性(ポテンシャル)を求めている。学生時代には一朝一夕には身につかない能力を得て欲しい。答えを「探す力」ではなく、答えの「見つけ方」を、「調べる」ではなく、「考える」力を身につけて欲しい。
1) 若い人は元気が一番、挨拶をしっかりしよう。
2) わからないことは何でも質問しよう。
3) 先輩がやりたがらない仕事にも積極的にチャレンジしよう。
  ※落とされてもたまたまその企業が求めていた人材とマッチしなかっただけ。就職活動の時期は自分が成長する時期、気にせずに就職活動を楽しんで欲しい。
 
 
<第2部:ディスカッション>
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久敬会ミニ講演会(4) 「食育のすすめ〜子どもを取り巻く食環境〜」

2014年03月31日(月)更新
久敬会ミニ講演会(4)
 
演題:「食育のすすめ〜子どもを取り巻く食環境〜」
講師:料理研究家 今田祐子氏(高36回)
日時:2014年2月2日(日)2時~4時
場所:久敬会館     参加者:19名
担当行事委員:辻本、田中、安田(記録)
 
 今田氏が実際に子どもたちに、包丁や火を使っての料理体験を指導している画像や参考資料プリントを示されわかりやすく、また興味深く説明されました。子どもたちが料理や食事に興味を持つこと、また工夫し協力しながら実際に料理をすることが、子どもたちの人間形成に大いに役立つことをお話ししていただきました。
 6才までの子どもには全ての行動は、繰り返しさせることにより、自然に生活力が養われる。しかし、たいていの親はそれを越えて「学力」を付けたがるのではないか。さらに家庭科の授業時間が減らされ、なかなか時間が無いから実技ができないのが現状である。
 料理は単純な作業の繰り返しでありながら、次の手順を考えながら作業する。あまりにも日常的であるがため、忘れられがちな「食事」の準備や段取りの大切さを改めて考えさせられた。
 今回の講演会は、女性講師とテーマの関係から、参加者は保育や幼児教育、児童教育に関わる方や将来その方面に進む大学生などほとんどが女性の方でした。講演の後は、机を移動して参加者がそれぞれ発言し、講師のコメントをいただく和やかな進行でした。
 
当日の写真)
 
(講師プロフィール)
  • 奈良女子大家政学部卒、辻調理師専門学校、クレヨンハウスなどの勤務を経て、マクロビオティック料理教室、未就園児のための料理教室など様々な料理教室に関わる。
  • 著書: 「アレルギーがあっても大丈夫―大好きなおうちのごはん」
 
(講演内容)
以下の文はご講師からいただきました。
 
子どもの自立と大人のありかた 食育から考える
料理研究家 今田祐子(高36回)
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2013年度 久敬会総会 ご報告

2014年01月21日(火)更新
  • 日時  2013.10.6(日)14.00より17:00 (受付は13:30より)
  • 場所  ホテル阪急インターナショナル 1階バイキングレストラン「ナイト&デイ」 
        
    (大阪市北区茶屋町 阪急梅田茶屋町口より徒歩3分)
  • 会費  5,000円   招待者(新会員1000円、高14回、高15回、旧職員3000円)
  • 次第  ◇総会    会長挨拶、校長挨拶、会務報告
         ◇懇親会   ジャズ演奏(高24回若江敏樹ほか2名)
  • 当日  今回は初めて梅田のホテルでの開催で、料理、アトラクション等も期待されていました。
予定どおり、午後2時より高14回の中村氏の司会で、会が始まりました。
 
 今回の参加者は、160名弱。予想より少なめでした。川井副会長の開会のことばのあと、本日の総会の参加を楽しみにされていた大友会長が体調の都合で参加ままならず、メッセージを辻副会長が代読されました。つぎに久敬会名誉会長の岡崎校長より、母校の現状を報告されました。最後に中村事務局長より会務報告がありました。
 今回のスペシャルゲストは、仕事とジャズピアノの二兎を追う高24回の若江氏で、ボーカルの吉田氏、ベースの中村氏とともにジャズ演奏をお願いしました。懇親会に先立ち「枯葉」を演奏していただきました。
 ここから、皆様待望の懇親会が始まりました。まず、出席された顧問、参与の元校長の方々の紹介の後、高3回の大木顧問の乾杯のあと歓談に入りました。バイキングレストランとして、日経新聞の「ランチを楽しめるホテルビュッフェ」で関西一の評価を受けた「ナイト&デイ」での食事の内容もさることながら、予想以上のサービスにも満足できました。歓談中も、若江氏らのジャズ演奏が聴け、懐かしい同窓生との会話とともに、大いに盛り上がりました。
 
 
 
 久敬会総会は、昨年度から、従来の2年に一度の開催から毎年開催に変わり、新しい形態を取り入れています。今回は、今までにないバイキングレストランでの開催。それも内容が最高レベルの評価を受けた「ナイト&デイ」での開催。オープンなスペースに、ジャズ演奏ができるように舞台を作り、音響もうまく考えられ、その準備には工夫がありました。
 楽しい食事と語らいの中、時間がたつのも忘れ盛り上がっていた頃、そろそろ終了の時間がきてしまいました。生澤副会長の音頭、若江氏の伴奏で、校歌斉唱が始まりました。さすがに同窓会総会です。歌詞カードを見ずとも、自然と校歌が出てくるようです。
 最後に、辻副会長の閉会のことばでお開きとなり、来年の久敬会総会での再会を約束し、2次会へと続いていった方も多くおられました。


 今回の担当期と担当者は次の通りです。高14回(中村、西本、森川)、高24回(松尾、八木、根来)、高34回(平野)、行事委員(辻本、田中、後藤、辻、中西、安田、吉田)、事務局、なお記録は辻繁行事委員、写真は水野広報委員長が担当しました。 

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久敬会ミニ講演会(1) 「日本の空は健康か? ~東アジアスケールで見た日本の大気環境~」

2014年01月21日(火)更新
久敬会ミニ講演会(1)

演題:「日本の空は健康か? ~東アジアスケールで見た日本の大気環境~」
講師:気象庁気象研究所研究総務官 三上正男氏(高25回)
日時:2013年9月28日(土)2時~4時
場所:久敬会館     参加者:25名
担当行事委員:辻本、田中、中西、安田(記録)
 
 三上氏は、茨城県つくば市の気象庁気象研究所から本講演会のために来ていただきました。講演日の前日、5年に1度のIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の報告書が採択されたばかりで、世界中の気象学者が「気候システムの温暖化については疑う余地がない」と結論付けているとのホットなニュースについても話していただいた。
 参加者は、講師がスライドを用いて大気環境(PM2.5、酸性雨、光化学スモッグ、黄砂)と気候変動、予報システムなどについて説明されるのを興味深く熱心に聞いておられた。タイムリーにその後1カ月ほどの間に、IPCCの報告や中国の大気汚染(PM2.5)の状況と日本への影響について次々と新聞やテレビで多くの報道がなされた。
 
当日の写真)
 
(講師プロフィール)
  • 気象大学校卒業後、宮古島地方気象台技術課、大阪管区気象台をへて、1985年より気象研究所に在席。気象庁研究総務官及び公益社団法人日本気象学会理事。理学博士。
  • 専門分野は気象学、なかでも大気境界層・黄砂・エアロゾルの研究。日中共同・日豪共同・黄砂動態解明などの研究代表。
  • 中国政府より友誼賞、新彊ウイグル自治区政府より天山賞、日本気象学会より学会賞、文部科学技術大臣表彰を受賞。
  • 著書: 「ここまでわかった黄砂の正体−ミクロのダストから地球が見える−」
 
(講演内容)
以下の文と図表はご講師からいただきました。
 
日本の空は健康か?
~東アジアスケールで見た日本の大気環境~
気象庁気象研究所研究総務官 三上正男(高校25期)
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久敬会ミニ講演会(2) 「低山の楽しみ ~近畿の山・沢をめぐる~」

2014年01月21日(火)更新
久敬会ミニ講演会(2)
 
演題:「低山の楽しみ ~近畿の山・沢をめぐる~」
講師:大阪府山岳連盟登山インストラクター 岡田敏昭氏(高38回)
日時:2013年11月24日(日)2時~4時
場所:久敬会館     参加者:27名
担当行事委員:辻本、田中、安田、中西(記録)
 
岡田氏は2013年10月に勤務先の異動により、住み慣れた奈良を離れ、東京に転勤されました。この度は、快諾していただいていた本講演会のため、ご多忙の中を帰阪し講演いただきました。
数多くの素晴らしい山のスライドを映写し、山歩きの楽しみを語っていただきました。救急手当てや仲間づくりの楽しみなどの話もあり、その後、持参いただいた山の道具についても説明して下さいました。また、著書「大阪の山」(山と渓谷社刊、岡田知子さんとの共著)を持ってこられ、希望者に分けていただきました。
当日は、奥様の岡田知子(旧姓奥田 高39回)様も出席され、茨高時代に山岳部の夏合宿で北アルプスの剣岳に、当時顧問の辻本先生と登ったことを懐かしく語られ、その時の計画書を見せてもらいました。現在は登山のインストラクターとして「のんびり山歩(さんぽ)の会」や「週末日帰り登山の会」を主催しておられ、案内のパンフをいただきました。

(講師プロフィール)
  • 大阪府山岳連盟認定登山インストラクター、赤十字救急法救急員、山岳ライターシャープ山岳部長
  • 著書:
      ・山と溪谷社 新・分県登山ガイド「大阪府の山」(共著)
      ・JTBパブリッシング るるぶ 大人の遠足BOOK『決定版 関西の山ベスト100』
      ・山と溪谷社 ヤマケイ関西BOOKS 「大峰・台高」
      ・山と溪谷社 決定版 日本二百名山登山ガイド[下]    ほか
  • 主な山歴: キリマンジャロ山(アフリカ大陸最高峰)、ケニア山、マッターホルン、キナバル山、ウィルヘルム山(パプアニューギニア最高峰)等

(講演内容)
文と写真はご講師からいただきました。
 
「低山の楽しみ ~近畿の山・沢をめぐる~」
大阪府山岳連盟登山インストラクター 岡田敏昭氏
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久敬会ミニ講演会(2) 「低山の楽しみ ~近畿の山・沢をめぐる~」

2014年01月21日(火)更新
久敬会ミニ講演会(2)
 
演題:「低山の楽しみ ~近畿の山・沢をめぐる~」
講師:大阪府山岳連盟登山インストラクター 岡田敏昭氏(高38回)
日時:2013年11月24日(日)2時~4時
場所:久敬会館     参加者:27名
担当行事委員:辻本、田中、安田、中西(記録)
 
岡田氏は2013年10月に勤務先の異動により、住み慣れた奈良を離れ、東京に転勤されました。この度は、快諾していただいていた本講演会のため、ご多忙の中を帰阪し講演いただきました。
数多くの素晴らしい山のスライドを映写し、山歩きの楽しみを語っていただきました。救急手当てや仲間づくりの楽しみなどの話もあり、その後、持参いただいた山の道具についても説明して下さいました。また、著書「大阪の山」(山と渓谷社刊、岡田知子さんとの共著)を持ってこられ、希望者に分けていただきました。
当日は、奥様の岡田知子(旧姓奥田 高39回)様も出席され、茨高時代に山岳部の夏合宿で北アルプスの剣岳に、当時顧問の辻本先生と登ったことを懐かしく語られ、その時の計画書を見せてもらいました。現在は登山のインストラクターとして「のんびり山歩(さんぽ)の会」や「週末日帰り登山の会」を主催しておられ、案内のパンフをいただきました。

(講師プロフィール)
  • 大阪府山岳連盟認定登山インストラクター、赤十字救急法救急員、山岳ライターシャープ山岳部長
  • 著書:
  •   ・山と溪谷社 新・分県登山ガイド「大阪府の山」(共著)
  •   ・JTBパブリッシング るるぶ 大人の遠足BOOK『決定版 関西の山ベスト100』
  •   ・山と溪谷社 ヤマケイ関西BOOKS 「大峰・台高」
  •   ・山と溪谷社 決定版 日本二百名山登山ガイド[下]    ほか
  • 主な山歴: キリマンジャロ山(アフリカ大陸最高峰)、ケニア山、マッターホルン、キナバル山、ウィルヘルム山(パプアニューギニア最高峰)等

(講演内容)
文と写真はご講師からいただきました。
 
「低山の楽しみ ~近畿の山・沢をめぐる~」
大阪府山岳連盟登山インストラクター 岡田敏昭氏
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久敬会ミニ講演会(3) 「いざという時のために治療のさし控えについて考えてみませんか?」

2014年01月21日(火)更新
久敬会ミニ講演会(3)
 
演題:「いざという時のために 治療のさし控えについて考えてみませんか?
~人工呼吸、胃ろう、透析について知っておきましょう~」
講師:市立池田病院 内科医師 梶原信之氏(高33回)     
日時:2013年11月30日(土)2時~4時
場所:久敬会館     参加者:27名
担当行事委員:辻本、中西、安田、田中(記録)

 今回の講演テーマは、ご講師からいただいたものですが、このことを考えることの大切さを改めて知らされました。終末期医療については、医療の差し控えを決めるのは最終的には、本人や家族です。決定のために前もって知っておきたいことを、パワーポイントで講演いただき、持参された医療用の人形や胃ろう用の器具なども使ってわかりやすく説明してもらった。毎日、医療の現場で患者と向き合っておられる中での体験談に、参加者は自分のことや親のことを考えながら熱心に聞いておられた。 その後参加者から、○腎臓移植についての問題点 ○どういう死が幸せといえるか ○病院の先生が、どういう考えのもとに治療されているのかを知る方法は など多くの質問が相次ぎ、それぞれに懇切丁寧に答えていただいた。
 
 
(講師プロフィール)
茨高卒業後、滋賀医科大学を出て医師になり、1997年から市立池田病院の内科(腎臓内科)に勤務。現在は同病院内科主任部長。内科学会総合内科専門医。腎臓学会指導医。透析医学会専門医。プライマリ・ケア認定医。医学博士。兵庫医科大学臨床教育教授(兼任)
 
(講演内容)
以下のスライドと説明文はご講師からいただきました。掲載については、枚数が多いため一部省略させていただきましたことをお断りします。
 
いざという時のために治療のさし控えについて考えてみませんか?
人工呼吸、胃ろう、透析について知っておきましょう

市立池田病院 内科医師  梶原信之
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